2009年06月21日

韓国昔話「おいしい名前もまたあるものだ」

今回はお坊さんと三人の小坊主のお話です。


 「おいしい名前もまたあるものだ」


深い山奥に、食べ物に目が無いお坊さんと三人の小坊主が暮らしていました。

小坊主の名前は、マンポク、チルス、サンマンでした。

お坊さんは、いつも三人の小坊主に使い走りをさせました。

「マンポク、洗面用の水をちょっとくんできなさい」

「サンマン、洗濯をちょっとやりなさい」

「チルス、薪をちょっととってきなさい」

お坊さんは、三人の小坊主に仕事をさせると、いつもひとりでおいしい物を食べたそうです。

お坊さんは、食べ物が食べたくなると、しかりつけてでも三人の小坊主を早く寝かせました。

その日もお坊さんは三人の小坊主を寝かせたあと、ひとりで餅を焼いて食べました。

翌日、三人の小坊主はお坊さんがいない間、一つ、二つと不平を言い始めました。

マンポクが言いました。

「お坊様は餅のひとかけらも下さらないなあ」

チルスが相槌を打ちました。

「そのとおりだ、お腹が空いて眠れないときもある」

三人の小坊主は、頭をつき合わせて一所懸命に話し合い、とうとうお坊さんを一泡吹かせる方法をみつけました。

夕方になってお坊さんが帰ってきました。

三人の小坊主は喜んでお坊さんを迎えました。

マンポクが先に言いました。

「お坊様、私の名前をおもしろい名前に変えてもよろしいですか?」

「名前を変えるというのか? どう変えるのだ?」

「はい、私はプーと呼んでください」

「プーだと? 変わった名前だなあ」

次にチルスが出てきて言いました。

「お坊様、私はトンと呼んでください」

「はは、トンとは。おもしろい名前だなあ」

三番目にサンマンが言いました。

「お坊様、私はマッと呼んでください」

「マッとは、マシイッタ(おいしい)のマッのことか?」

お坊さんはわけが分からず、おかしな者たちだと思いました。

その日の夜、お坊さんは小坊主たちが寝るのを確認しました。

それから食い気を出して言いました。

「さあ、そろそろ餅でも焼いてみるか?」

お坊さんは、火をたこうと火鉢にある灰をプーと吹きました。

すると小坊主のプーがかけつけてきました。

「呼ばれましたが、お坊様?」

「そ、そうだ。餅を見るとおまえのことを思い出して呼んだ」

お坊さんはしかたなく餅を分けて食べることにしました。

餅をすべて焼いたお坊さんは、餅についた灰をトントンとはたきました。

すると小坊主のトンがかけつけてきました。

お坊さんはしゃくにさわりましたが、動じないふりをしてトンにも餅を分けてあげました。

餅を一口切って食べたお坊さんは、おもわず「アイゴー、マシイッソラ(ああ、おいしい)」と言いました。

すると小坊主のマッがかけつけてきました。

「そうか、おもえも一緒に食べようというのか」

お坊さんは、三人の小坊主と一緒に食べてみるともっとおいしく食べることができました。

それでお坊さんは、それからはいつも食べ物を分け合って食べ、楽しく過ごしたそうです。
posted by kansuke at 14:40| Comment(0) | 韓国の昔話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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